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バナーラス風物詩(その12)

©Matsumoto Eiichi

夜明けのガンジス

これがバナーラスである。滔々と流れるガンジスに朝日が昇る瞬間、あたりは淡い紫色の空気に包まれる。夜明けのガンジスを見ないで、インドは語れない。だから私は皆に繰り返しお奨めするのだ。時間があったなら、生きているあいだに一度はバナーラスを見てほしい、と。

ガンジスは源泉のあるガルワール・ヒマーラヤ山中のゴームクからバナーラスまで約1000キロを流れ下り、ここから先ベンガル湾に注ぐまでさらに約1500キロの旅をする。バナーラスはその途中に位置するが、それでもこの川幅を保っている。この光景を見ただけでもガンジスが流域に住む人々に計り知れない恩恵を与えていることがわかるが、この本流にさらに数多くの支流が流れ込み、ガンジスはインドという巨象に活力を与える大動脈となっている。

ヒマーラヤから東漸してきたガンジスは、バナーラスの近くまで来ると方向を変え、しばらく北向きに流れる。写真の男性は流れの来るほうに体を向け、左半身に朝日を浴びながら、遠方の岸辺にうっすら浮かび上がる館のほうを見ているようだ。岸辺のあたりは多くの巡礼者が思い思いの願いを込めて沐浴していることだろう。その喧騒から遠く離れて、男性はひとり沐浴する。お供は一羽のトンビだけである。

ガンジスはあらゆる罪障を浄めてくれる女神であり、現身(うつしみ)の川としてそこで沐浴することで、いわば胎内回帰願望を満たしてくれるともいえる。それがヒンドゥー教徒に無上の安心感を与えてくれるのだ。と同時にガンジスは死者の罪障をも浄化する。バナーラスは別名マハーシュマシャーナ(大いなる火葬場)と呼ばれ、岸辺の二つの火葬場では終日荼毘の煙が絶えることがない。

荼毘を終えたあと、遺灰はガンジスに撒かれる。ガンジスは太古より無数の遺灰を飲み込み、浄化してきた。男性が立っているのは、そのような悠久のガンジスが流れる川床、文字通りの恒河沙(ごうがしゃ)であり、此岸から彼岸へ向かう渡し場である。写真家が切りとったこの一枚の光景には、バナーラスの数千年の歴史が映されているのだ。

だから私は皆に繰り返しお奨めするのだ。時間があったなら、懐に少しでも余裕があったなら、体力が許すなら、まだ気力が残っているならば、生きているあいだに一度はバナーラスを見てほしい、と。

文:宮本 久義(Hisayoshi Miyamoto)

写真:松本 榮一(Eiichi Matsumoto)

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更新日:2023.12.05

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