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バナーラス風物詩(その3)

©Matsumoto Eiichi

パンチャクローシーの巡礼

何かヘンな格好をした老人が歩いている。新しいファッションなのかと思いきや、この人の顔は真剣である。そう、この人はバナーラスの郊外を行く巡礼者なのである。夜明け前に出発し、河や池に着くたびに沐浴して着替え、濡れた衣服を頭上に載せて乾かしながら次の目的地まで裸足で進むのだ。

バナーラスにはいくつかの巡礼コースがあるが、一番人気があるのがパンチャクローシー巡礼である。ヴィシュヴァナート寺院の御本尊ヴィシュヴェーシュヴァラ・リンガに礼拝したのち、バナーラスの周縁を時計回りにまわり、再び中心部に戻ってくる。毎日5(パンチャ)クローシャ(1クローシャは約3.5キロ)ずつ進み、全5クローシャ(約88キロ)の巡路沿いにある聖所を4、5日かけて一つずつ礼拝していくのだ。

この円環路は聖域の結界をなし、その内側にいる者には死後の解脱が約束されている、とバナーラスの縁起譚である「威光書」は説く。その言葉はこの地へと人々を招く謳い文句であることを巡礼者たちは十分に理解している。それでも彼らのバナーラスという聖地への信仰が揺らぐことはない。

巡礼者の多くはバイサーク月(サンスクリット語ではヴァイシャーカ月)という4月中旬から始まる農閑期にバナーラスに集まってくる。数日分の食料と炊事用具や着替え、それと神々に捧げる大麦や米の供物を入れた袋はズシリと肩に食い込む。昼は40度を超す酷暑季なので、移動は夜中の2時か3時頃から10時頃までで、日中は仮眠をとったり、寺院に詣でて僧の説法を聞いたりして過ごす。

この老人の前にはそのような巡礼者が数千人も歩いており、後ろにも数千人が続いているはずだ。そんな中で、写真家は人がなぜ巡礼をするのかを問うように、たった一人の老人にフォーカスを合わせる。そして、彼の毅然とした表情の中にある、バナーラスの結界の内側で死ねば、たとえ罪を犯した身でも、シヴァ神の恩恵によって解脱できるのだ、という強烈な信念を見事に撮りきった。

文:宮本 久義(Hisayoshi Miyamoto)

写真:松本 榮一(Eiichi Matsumoto)

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更新日:2023.03.01

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