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インドの神さまは今日も大忙し(その6)

©Matsumoto Eiichi

クリシュナはみんなのもの

数十年前に私が留学していたとき、幼いクリシュナが母のヤショーダーに、「ラーダーは色白なのに、ぼくはなんで色が黒いの」と、べそをかくような感じで質問する映画音楽が大流行した。歌手はインド最高のプレイバック・シンガーのラター・マンゲーシュカルである。「あなたは真っ暗な真夜中に生まれてきたから黒いのよ」と、微笑みながら母は答えるのだが、その真夜中にはとんでもないことが起こっていた。

誕生の地はデリーの南約150キロほどのマトゥラー地方で、両親は王族である。シューラセーナ王の息子ヴァスデーヴァは、ウグラセーナ王の娘デーヴァキーと結婚した。デーヴァキーの兄カンサはこの時すでに父王を退けて王位に即いていたが、妹夫婦が結婚式を終えて馬車で戻る途中、彼らの8番目の子供が自分(カンサ)を殺すであろうという天の声を聴いた。カンサはすぐに妹を殺そうとするが、妹夫婦が生まれてくる子供をカンサに渡すと約束したので、その場は思いとどまった。

しかしカンサは二人を牢獄に監禁し、彼らのあいだに生まれてきた子供を次々に殺していく。7番目の子供は、幻力(マーヤー)によりヴァスデーヴァのもう一人の妻でゴークラに住むローヒニーの胎内に移された。こうして生まれたのがバララーマで、兄としてのちにクリシュナを助けることになる。

いよいよ8番目の子供としてクリシュナが誕生する。この時も幻力により獄吏たちが眠りこけ、牢獄の扉が自然に開くと、ヴァスデーヴァは箕の中にクリシュナを入れ、それを頭上に載せて大雨の中をゴークラに向かった。途中大雨から二人を守ったのは、傘のように鎌首を拡げた大蛇シェーシャである。ヴァスデーヴァは村に着くと、ナンダとその妻ヤショーダーのあいだに生まれたばかりの女の子とクリシュナを取り換え、再び牢獄に戻った。

カンサは子供が生まれたという報告を受けるとすぐに牢獄に行き、子供を取り上げて石に叩きつけた。しかしその女の子ヨーガマーヤーは実はヴィシュヌ神の幻力によって顕現した女神で、クリシュナがすでに生まれたことを告げ、空中に舞い上がって消えてしまう。こうしてクリシュナは村で養父母の篤い愛情を受け、さまざまな悪戯や武勇伝や奇蹟を起こしつつ立派な牛飼いに育ち、最後には悪王カンサを誅殺するのである。

幼年時代のエピソードはあまりに多いのでここでは語らないが、幼童の姿がこれほど愛される神はクリシュナをおいてほかにいない。クリシュナが養父母に育てられたことは一つのメタファーで、誰もがクリシュナの親として愛情を注げることを意味している。みんなでクリシュナを育てるのである。

毎年8月ころの生誕祭(ジャナム・アシュタミー)には、家の中にクリシュナの生まれ育った村の光景を色砂などでジオラマのようにして作り、おもちゃをいっぱい並べて置く。そして、真っ暗な真夜中にクリシュナが生まれると、ドラを叩き法螺貝を吹き鳴らして、近隣の家にお菓子を配ってまわる。本当にわが家に赤ちゃんが生まれたかのように、クリシュナ神の生誕を祝うのである。

文:宮本 久義(Hisayoshi Miyamoto)

写真:松本 榮一(Eiichi Matsumoto)

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更新日:2024.06.04

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