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インドの神さまは今日も大忙し(その2)

©Matsumoto Eiichi

ブラフマー神はみんなの相談役

ヒンドゥー教は多神教といわれるが、主要な神さまはブラフマー神、ヴィシュヌ神、シヴァ神の三柱である。3000年くらい前は、インドラという神さまがパンテオンの中心にいたが、次第に世代交代して、ブラフマー神をはじめとする三神への崇拝が強まった。相撲にたとえれば三横綱体制である。ブラフマー神が世界を創造し、ヴィシュヌ神が維持し、シヴァ神が破壊を担うが、実は一人の神さまの多様な現れだともいわれている。

その後さらに、ブラフマー神は土俵に居るけれど取り組みからは退いて、行司の筆頭である立行司(たてぎょうじ)のような立場になった。写真の木製玩具はその事情をよく表している。ヴィシュヌ神とシヴァ神は、精気溢れる壮年期の姿で描かれることが多いが、ブラフマー神は常に白髪で白い髭をたくわえている。現役から退いてみんなの相談役になっているのである。

この木製玩具は高さ10センチほどの神さま人形の一つで、バナーラスで売られている。40年ほど前に、ヴィシュヴァナート寺院の門前町で、おもちゃ屋の棚の一画にあったものを見つけたのが最初の出会いである。その手作りの可愛らしさに感激してたくさん買い込んだが、店主からほとんど売れないのでもう店を閉じるんだと聞かされた。その後何年か見かけなかったが、いつ頃からかまた門前町に並ぶようになった。

インドの神話には悪魔も大勢出てくる。ある時代に何某という悪魔が一世を風靡していました、と始まる神話が本当に多い。魑魅魍魎の悪魔たちが跳梁跋扈している時に、苦しんでいる人びとがまず陳情するのが相談しやすい村の鎮守の神がみである。すると今度は神がみがブラフマー神の許に行って、なんとか対処してほしいと伝える。そこでブラフマー神は内容に応じて、シヴァ神かヴィシュヌ神に悪魔掃討を依頼するのである。

ブラフマー神は、宗教の垣根を超えて、なんと釈尊ブッダの相談にまで乗っている。ブッダが悟りを開いたあと、その内容を人びとに説くかどうかためらっている時に、ブラフマー神はその迷いを取り去るよう要請するのだ。「梵天勧請」といわれるこのエピソードは、仏教者のあいだでも捉え方がさまざまだが、新興の教えである仏教が、伝統的なヒンドゥー教の神さまの権威を借りたことは間違いない。

ブラフマー神は元来、宇宙の最高原理を神格化したものといわれている。また、ヴィシュヌ神、シヴァ神とともに、三神一体(トリムールティ)の神だとする考えもあるが、これも司祭階級のバラモンたちが考え出した理念と考えられている。実際は神がみの頂点の座をめぐる争いで、民間の信仰を糾合したヴィシュヌ神とシヴァ神に、とっくのとうに土俵から追い出されている。けれど、たぶんもっとも人間的な要素にとぼしかったこの神が、私には三大神のなかで、一番人間的に思えるのだ。

文:宮本 久義(Hisayoshi Miyamoto)

写真:松本 榮一(Eiichi Matsumoto)

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更新日:2024.02.01

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