磯貝富夫氏レポート紹介

いつもご寄稿いただいている磯貝富夫さんから現地レポートが当ネットワーク堀内事務局長の許に届きましたので、抜粋してご紹介します。

 

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皆さん、こんにちは!Happy Diwali!ということで、今日はインドや周辺国(シンガポールでも)のヒンドゥー教(インド全体では約8割)のお正月です。実際には宗教を問わずインド全体でお祝いしています。

5日間のお祝いで仕事もお休みです。旧暦のため毎年異なりますが、今年は昨日から日曜日まで連休になる職場が多いでしょう。お正月前に家の掃除をしたり、買い物(お祝品)をしたりと、年末は町中が賑わいます。

昨年、コロナで緊縮ムードであったのとは打って変わって、今年のディワリは本来の賑やかさが戻ったようです。

ベランダや玄関に飾るランタンや、色とりどりのきらびやかなライティングもあちこちに見られ、夕べは爆竹と打ち上げ花火が見れました。さながら視覚的にはクリスマス気分に近い感覚です。今朝も6時を過ぎた頃から、爆竹の音が街中に響き渡っていますよ!(但し、この爆竹はインド国内の一部では大気汚染のため禁止です。)

当地ではクリスマスはキリスト教徒(約2%)以外はコマーシャリズムだけです。また、1月1日は西暦元旦でインドでも祭日で休日ですが、2日から平常通りになります。(インド暦の元旦はディワリとは異なるので複雑です。)

ディワリは(ディーパワリとも)女神ラクシュミを奉るお祭りでもあります。このラクシュミ女神は実は日本でも、吉祥天として奉られていることを知る日本人は少ないかも知れません。つまり、吉祥天の起源はインドにあり、ということです。この女神だけでなく、日本の仏教では「天部」と呼ばれる神々である、弁財天、帝釈天、梵天、四天王などもインド起源のヒンドゥー教の神々が日本に伝承されたものです。また、「聖天さん」として親しまれている「歓喜天」もヒンドゥー教のガネーシャ神(象頭人身)として最も重要視されている神々の一つですね。

私は研究者でもジャーナリストでもありませんが、インドに住み10年が経過しましたので、肌感覚でインドを観てきました。その私が見る2050年を見通した長期視点での日印関係は、「やはり、日本の将来はインドしかない!」という結論に至ります。一見真逆に見える日印ですが、そうであればこそ、相乗効果が期待できるのが日印関係であると私は確信しております。

今月開催された武蔵大学でのシンポジウム「経済自由化から30年、インドのこれからを考える」でも、多少ネガティブなポイントを上げる研究者もおられますが、それらは史実に基づく現実的な見方として評価はできますが、私の評価とは異なるものです。ともあれ、インドの多様性は複雑で理解しづらく、将来に起こることを予測することは更に困難です。私はポジティブな面に注目して日印関係を展望するようにしています。少なくとも今後注目すべき最重要国であることは議論を待たないと思います。

コロナに負けず、良い新年になりますように!皆様のご健康とご多幸をお祈り致します。

 

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コロナの状況がまだまだ予断を許さぬ中、貴重なインド現地からのレポートをご紹介できるのも当ネットワークのご縁ならではです。
磯貝さんにはいつもお便り頂戴し感謝しております。

更新日:2021.11.25