新型コロナウイルス感染症流行の早期終息をともに祈る
東大寺が祈りを呼び掛け
新型コロナ終息願い 毎日正午にそれぞれの場で
華厳宗大本山東大寺(奈良市)は、新型コロナウイルス感染症流行の早期終息をともに祈ろうと、全国の寺社や教会への呼び掛けを始めた。時間だけを合わせて各地でそれぞれ勤めることを提案している。
森本公穣庶務執事が2日に自身のツイッターに、寺社などへの呼び掛けを投稿。同寺は3月の修二会で、感染流行の早期終息と感染で亡くなった人の追福菩提を、大導師の諷誦文に盛り込んで期間中に祈り続けた。今月からは毎日正午に大仏殿壇上で、狹川普文別当らが交代で勤行を営んでいる。
大仏殿壇上での勤行。初日の1日に営んだ狹川別当(東大寺提供)
森本執事は、「外出や行事などの自粛が求められ、お参りできない人もいる。それならば、時間を合わせてそれぞれの場所で祈ることができないか」と話す。同じ状況であろう寺社や教会にも呼び掛けた。投稿翌日の3日には一般の人だけでなく、総本山金峯山寺(奈良県吉野町)など10カ寺以上から、賛同の声が寄せられたという。
投稿したツイートでは、「時間だけの『密接』です。お互いの気持ちを『密集』させて、『密閉』されたような社会の雰囲気を吹き飛ばせたらと思います」と、感染拡大を回避するために提唱された「3密」を前向きに言い換えている。
『週刊仏教タイムス』(2020年4月9日発行)
- 開催日時
- 毎日正午
- 開催場所
- それぞれの場
更新日:2020.04.20