ワルリー画公開制作開催
ワルリー族の描き手4名がミティラー美術館で公開制作を行っています。
インドのフォークアートで絵画として世界的にも知られているのはミティラー画、ワルリー画、ゴンド画です。これらの絵画は残念ながら世界に散逸しています。そうした現状の中、主要な作品を数多く収蔵している日本にあるミティラー美術館は大変面白い存在です。
ミティラー美術館は館長の長谷川時夫が現地の開発計画に反対をし、自然に手をつけない代替案として廃校の小学校を利用して1982年に開館しました。当時、この絵画は日本の浮世絵と同様に近代化とともに散逸してしまうかもしれないと思い、インドの現地に数十回と通い集めたのです。そのコレクションは80年代後半にはミティラー画を育てたと言われるププル・ジャヤカル女史より「世界に質と量において比するものがないコレクション」と評価されました。インディラ・ガンジー首相の長期政権を支えた文化遺産関係首相顧問ジャヤカル女史は、1982年にイギリスから始めた『フェスティバル・オブ・インディア』の世界展開、インド側の実行委員長として活躍。日本では1988年『88インド祭』として開催されました。その時の規模のインド祭は、今日に至るまで日本では未だ開催されておりません。
今年の2017年日印友好交流年の後半の主要催事として開催された『ナマステ・インディア 2017』に参加した4名のワルリー族のアーティストがミティラー美術館に滞在し、大作を制作しています。この作品の一つが来年のナマステ・インディアのポスターの中央に登場する予定です。
ミティラー画は1967年ビハール州の飢饉への支援策として、女性たちによって伝承されてきた壁画手法を、ジャヤカル女史たちの努力によってフォークアートとして再生されました。ミティラー画の成功を受けて、マハーラーシュトラ州ターネー県に居住するワルリー族からもワルリー画が生まれることになりました。ワルリー画のパイオニアとして知られるジヴヤ・ソーマ・マーシェ氏の次男サダシさんも今回のメンバーの一人です。彼の来日は17回目、ゴルカナさんは20回目となります。若手のマユールさん、トゥシャールさんは9月16日、17日に青森県立近代美術館でラダック舞踊団の公演とともにワークショップを行いました。この貴重な日本ではなかなか見ることができないワルリー画の公開制作を見にミティラー美術館に来られませんか? 冬は4mの雪に埋もれる美術館ですが、冬も開館しています。
お問い合わせ:ミティーラ美術館
- 開催日時
- 開催中〜2017/12/05
- 開催場所
- ミティラー美術館
新潟県十日町市大池265 - 公式サイトなど
- http://www.mithila-museum.com
更新日:2017.11.23